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本日から大学院の講義が始まります。

2010-10-14(木) 09:42:19

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本日より、早稲田大学大学院会計研究科で私が担当している法人税の演習科目の講義がスタートします。

後期は来年1月までの全6コマ。

公認会計士試験に向けて、法人税の計算問題をさせてその解説をする講義です。

私が大学院の非常勤講師を担当するようになったのは平成17年4月ですので、もう5年目になります。

大分慣れてはきましたが、わかりやすく解説するのは結構大変です。

頑張ります。

住宅エコポイントは収益計上が必要です。

2010-10-13(水) 09:34:12

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住宅エコポイントとは、エコ住宅を新築した場合にポイントが付され、そのポイントを商品や商品券と交換したり、工事代金に充当したりすることができる制度です。

この住宅エコポイントの法人税法上の取扱いですが、商品や金券などと交換した場合、あるいは追加工事代金に充当した場合などは、1ポイントを1円で換算して収益計上が必要となります。

また、追加工事を実施してポイントを取得し、そのポイントを工事代金に充当する即時交換制度を利用した場合には、当該ポイント相当額は補助金ではないので圧縮記帳の対象にはなりません。

個人であれば一時所得として課税の対象となります。

消費税法上の取扱いですが、エコポイント相当額は不課税です。

ですので、例えば、本来100万円の工事代金が必要なところ、エコポイント30万円相当額を控除し、70万円を支払った場合の仕訳は以下のようになります。

(借方)         (貸方)  

建物 100万円    現預金  70万円

             雑収入 30万円

このとき、建物は通常全額課税仕入れ、雑収入は不課税売上、となります。

相殺して計上することはできませんので注意が必要です。

新規開店パーティーなどでお祝い金をもらった場合の取扱い

2010-10-09(土) 16:44:04

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新店舗の開店パーティーや設立20周年記念パーティーなどで、来賓等の参列者からお祝い金をもらうことがありますが、経理上、このお祝い金の取扱いには注意が必要です。

会社経理の担当者或いは社長から

「もらったお祝いはパーティー等の開催費用と相殺で良いですよね?」

と聞かれることがあるのですが、

お祝いで頂いた祝儀金はパーティー等の開催費用と相殺はできません。

あくまでも支出した金額を交際費に計上し、

頂いた祝儀金は雑収入に計上します。

相殺して計上し税務署に否認された後、訴訟にまで発展して結局納税者が敗訴した事例は数多くあります。

(例えば、東京地裁平成元年12月18日判決、最高裁平成3年10月11日判決など)

お祝い金を頂いた場合には注意が必要です。

就業規則は大丈夫ですか? (その5) 残業代未払いは怖いです。

2010-10-08(金) 08:47:20

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営業スタッフが多い会社などでは、残業時間を管理するのが大変なため、残業代を支払う代わりに手当(営業手当など)を支給しているところが少なくありません。

それ自体は問題ないのですが、きちんとそのことを就業規則に規定しておかないと後で大変なことになる場合があります。

<とある会社の例>

先月末で退職した社員が社長宛に手紙を送ってきました。

その手紙には在職中2年間の残業代を支払って欲しい旨の記載があり、丁寧にタイムカードのコピーも同封されていました。計算すると100万円にもなります。

残業手当の代わりに営業手当を支払っていると認識していた社長はその手紙をずっと無視していました。

すると、しばらくして労働基準監督署から呼び出しがかかりました。その社員が相談に行ったようです。

社長は担当官に次のように説明しました。

「うちは残業代は支払っていないが、その代わりに営業手当を支払っている。残業代よりも多い場合がほとんどだから問題ないはずだ。」

担当官

「社長の言い分はわかりました。ではその証拠を示すものを見せて下さい。」

社長が担当官に見せた就業規則と賃金規定には、次のように書いてありました。

「営業手当は営業職に従事する従業員に支給する。」

担当官

「社長、この規定では営業手当が残業代の代わりであるとは読み取れません。」

社長は口頭で、全社員に営業手当は残業代の代わりであると確かに言っていたようですが、証拠がなければ何にもなりません。

結局、この会社は元社員の言うとおり100万円を支払いました。

この手の残業代未払いに伴うトラブルは今後更に増加する傾向にあります。

自社の就業規則や賃金規定が問題ないか、確認しておくことをお勧めします。

6親等の親族って誰だかわかりますか?

2010-10-07(木) 08:11:29

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法人税でも相続税でも租税法では、同族関係というと「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」と規定されていることが多いのですが、自分から見て「6親等内の血族」がどういう人なのかすぐにわかる人っているでしょうか?

6親等の血族とは、

自分の曾孫の孫の子ども、あるいは

自分の甥(又は姪)の孫の子ども、あるいは

自分のいとこの孫、などです。

ちなみに3親等の姻族とは、

自分の曾孫の配偶者、あるいは

自分の配偶者の兄弟(又は姉妹)の子ども(要するに甥や姪)、あるいは

自分の配偶者の叔父(又は叔母)、などです。

この「同族関係」が関係してくる規定は租税法には山のようにあります。

例えば非上場株式を相続した場合の納税猶予という規定では、特別子会社が風俗営業などを営んでいると納税猶予を受けることができません。

この特別子会社とは、「会社とその代表者、代表者に係る同族関係者の議決権が50%を超える会社」となっているのですが、同族関係者が上記のとおり6親等内なんてあまりにも広範囲なため、そんな遠い親戚が何の営業をしているのか把握するなんて現実的ではなく、規定の有効性が疑問視されます。

このように、税法には現代には馴染まない不思議な規定が沢山あります。

こういう規定は時代に即して随時改定してほしいものです。