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賃貸不動産を取得して相続税を下げる方法
1億円で建物を建築したとします。
建築に1億円かかっても相続税を計算するときの建物評価は固定資産税評価額を使用することになっています。
これが大抵と言いますか絶対に建築費よりも安くなります。固定資産税評価額は時価の7割を目安に市区町村が決めるからです。
貸家の場合,他人に貸しているので自分の自由には使用できません。よってこの分,評価額を下げます。どれだけ下げるかと言いますと3割(借家権割合)です。
1億円で建築した建物の固定資産税評価額が仮に7,000万円としますと,ここから30%の借家権割合を控除しますので4,900万円(=7,000万円×(1-0.3))となります。現金1億円を持っているより,貸家として持っているほうが相続税の課税対象が半分になります。
土地も同様です。更地だと1億円の評価の土地があるとします。この土地の上に貸家を建築しますと,やはり土地の利用に制限が加わりますので,その分評価を下げます。どれだけ下げるかと言いますと,借家権割合と借地権割合を乗じた分だけ下がります。
借地権割合70%の地域に更地評価1億円の土地を持っている場合に,この土地の上に貸家を建築しますと,借家権割合30%×借地権割合70%=21%の評価減ですから土地の評価額は7,900万円となります。
上記の例ですと建物と土地を合わせて7,200万円の評価減です。相続税率30%の場合は2,160万円の,税率50%の場合は3,600万円の節税です。
相続税は見えざる借金です。
今は顕在化していなくても,相続が発生した途端に姿を現します。相続税額と同じだけの現金を相続できればまだいいですが,不動産を売却しないと納税できないような場合は,相続税のために生活が一変してしまうこともあり得ます。そうならない為にも,事前にきちんと対策を練っておくことが非常に重要です。
貸家を購入する現金が無い場合は金融機関から借入することになりますが(こっちが普通です),家賃収入から借入を返済して管理費や固定資産税等の経費も支払って,それでも現金が残るようになっています。そうでなければ金融機関はお金を貸してくれません。
現金が手元に残って,見えざる借金である相続税も軽減されるのですから,やらない手は有りません。入居者が見つからなくて家賃が入って来ないかも,と心配される方がいらっしゃいますが,入居実績が無い新築物件を購入する必要は全くないので,何年も満室稼働で安心の中古物件を選べばいいだけです。
賃貸不動産による相続税対策は今も昔も有効です。