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起業で成功する人の思考法
「東大生・医者・弁護士になれる人の思考法」
小林公夫・ちくまプリマー新書(2010年)
という本の冒頭に、難関試験に成功する人と失敗する人の違いとして、壁にぶつかった際にそれを乗り越えていけるタイプの人間は、素直に他者の言葉に耳を傾け、軌道修正できるタイプが多い、と書かれています。
続けて、「打たれ強い精神的タフさや粘り強さ、自己管理能力なども重要な要素とはなりましょうが、素直に人の意見を聞き、「心に開かれた窓」を持つ者は、大きく伸長していく」 とあります。
実はこれは経営も同じで、たまに頑として自分の意見を曲げない社長に出会うことがありますが、ポリシーを曲げない、ぶれないということは、他人の意見を聞かないということとイコールではありませんので、人の意見は大いに聞くべきです。
また、同書には、難関試験に合格する人の共通点として、「長期目標を掲げている」 とありますが、これなんかはまさに経営と同じです。
難関試験に挑戦し、途中でくじけずに最後まで頑張って結果を出す人は、自分がなぜ今勉強する必要があるのかを本質的に理解しています。ですから壁にぶつかっても途中で投げ出したりせず、自分の目標達成のために頑張れるのです。
この場合の長期目標とは、例えば、医師になって多くの患者を救いたいとか、弁護士になって社会的弱者を救いたい、ということです。
これに対し、短期目標とは、次回のテストで10位以内に入ろうとか、今度の試験で100点を取ろうとか、そういうことです。
人は、短期目標だけですと、テストが終了すると同時に気持ちが弛緩したりしますし、また、スランプに陥った際には何故勉強しなければならないのか、などと感じてしまい目標を失いがちです。
ところが、長期目標があれば、勉強する意味を本質的に熟知していますので途中で投げ出すことなく頑張れるというわけです。
経営も同じで、長期目標がはっきりしている会社は強いです。
同じようなことを経営コンサルタントの小宮一慶氏は、「目的と目標」 という言葉で説いています。
小宮氏いわく、目的と目標は違う。「目的」とはその会社の理念やビジョンであり、会社が目指すべき方向性のことであって、「目標」とは今月の売上を前年同月比で10%UPにするとか、業界内シェア50%以上にするとか、そういうことです。
そして、利益を目的としている会社は絶対に続かない、と説いています。
これについてはまた別の機会に触れたいと思いますが、要するに受験勉強も経営も長期目標がはっきりしていることが重要である、ということです。