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損だしのための現物出資
10月1日からグループ法人税制が適用されます。
グループ法人税制が適用されると、親会社が100%子会社に不動産を譲渡しても譲渡損益は認識されません。
譲渡損を吐き出して利益を圧縮しようと考えていた会社は、9月末までに不動産譲渡を実行する必要があります。但し、グループ内で不動産を譲渡する場合であっても譲渡代金の決済はきちんと済ませておく必要がありますので、譲渡損は吐き出したいけれど不動産をやり取りするキャッシュがない!という会社は案外多いのではないでしょうか?
そんな時、現物出資を検討すると良いかも知れません。
現物出資は読んで字のごとく、現物を出資する行為ですが、例えば不動産を所有している会社がその不動産を出資して(それを資本金に充てて)子会社を設立することができます。
譲渡ではないので不動産を受け入れて設立された会社は、購入資金を用意する必要はありません。
但し、設立に伴う登記手数料、不動産の所有権移転に係る登記手数料は当然に負担しなければなりません。
不動産取得税は一定の要件のもとに非課税です。
現物出資をした会社は不動産の譲渡損を計上するだけで、他に税が課される心配はありません。
このように現物出資は上手に使えばかなり有効な節税手段になり得ます。
但し、子会社設立後の事業形態には十分注意が必要です。
中身がなく単なる箱だけの子会社ですと、後々税務署から否認される可能性があります。
子会社設立後の組織形態をどうするか、不自然な形態になっていないか、組織改編のストーリーに無理はないか、これらを十分に検討する必要があります。