HOME >BLOG

BLOG

特定の事業用資産の買換えの特例

2024-10-18(金) 13:05:40

カテゴリー:

個人が,事業の用に供している特定の地域内にある土地建物等(譲渡資産)を譲渡し,一定期間内に特定の地域内にある土地建物等の特定の資産(買換資産)を取得して,その取得の日から1年以内にその買換資産を事業の用に供したときは,一定の要件のもと,譲渡益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができます(あくまでも繰り延べであって,譲渡益が非課税となるわけではありません)。

 

当該買換え特例のうち最も活用されるのは「三号」買換えですが,その主な適用要件は次のとおりです。

 

譲渡資産及び買換資産の組合せ

[譲渡資産]

国内にある土地等,建物又は構築物で,譲渡の日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるもの

[買換資産]

国内にある土地等(特定施設の敷地の用に供されるものでその面積が300㎡以上のものに限る),建物又は構築物

 

※特定施設とは,事務所,工場,作業場,研究所,営業所,店舗,倉庫,住宅その他これらに類する施設(福利厚生施設を除く)をいいます。

 

当該買換え特例の適用を受けることができる譲渡資産及び買換資産は,事業又は事業に準ずるものの用に供されているものに限られますが,「事業に準ずるもの」とは,事業と称するに至らない程度の不動産又は船舶の貸付けその他これに類する行為で,相当の対価を得て継続的に行われるものをいいます。

 

買換資産として土地等を取得した場合には,その土地等の面積が譲渡資産の土地等の面積の5倍を超えるときは,その5倍を超える部分の面積に対応する部分は買換資産に該当しません。

 

原則として,譲渡資産を譲渡した日の属する年の12月31日までに買換資産を取得する必要がありますが,前年中の取得(先行取得)又は翌年中の取得(翌年取得)の場合の特例規定があります。

 

先行取得した資産を買換資産として当該買換え特例の適用を受けようする場合には,その先行取得した資産を取得した年の翌年3月15日までに,「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

 

また,譲渡資産を譲渡した年の翌年中に買換資産を取得する予定の場合には,譲渡した年の確定申告書を提出する際に,取得する予定の買換資産についての取得予定年月日,取得価額の見積額及び買換資産が買換え特例の組合せのいずれに該当するかの別,その他の明細を記載した「買換(代替)資産の明細書」を添付する必要があります。

 

なお,工場等の敷地の造成や工場等の建設等に要する期間が通常1年を超えると認められる場合等一定の場合には,納税地の所轄税務署長の承認を得ることができれば,譲渡した年の前々年から譲渡した年の翌年以後2年の間に買換資産を取得すれば当該買換え特例の適用を受けることができます。

 

令和6年4月1日以後に譲渡資産を譲渡し,同日以後に買換資産を取得した場合で,当該買換え特例の適用を受ける場合には,譲渡資産の譲渡の日(同日より前に買換資産の取得をした場合にはその取得の日)を含む三月期間※の末日の翌日から2か月以内に,当該買換え特例の適用を受けたい旨を記載した「特定の事業用資産の買換えの特例の適用に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

※三月期間とは,1月1日~3月31日,4月1日~6月30日,7月1日~9月30日,10月1日~12月31日の各期間をいいます。

 

課税の繰延べ割合は原則として80%ですが,「三号」買換えの場合における譲渡資産及び買換資産の組合せによって,90%,75%,70%及び60%と様々です。

 

※ブログの内容等に関する質問は一切受け付けておりませんのでご留意ください。