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直系尊属から贈与を受けた場合の税率の変更

2015-11-30(月) 21:44:24

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贈与税には暦年課税(1年間の贈与に対して課税)と相続時精算課税(贈与時点で相続税を前払いし,相続の発生時に精算)の2種類があります。暦年課税の基礎控除は単年110万円で,相続時精算課税の非課税枠は累計2,500万円です。

 

暦年課税は単年で課税関係が終了しますので相続税とは関係ありませんが(一部例外有り※),相続時精算課税は累計2,500万円まで(他に特例有り)の贈与について贈与時点での課税はありませんが,相続発生時に精算するため相続税は発生する可能性があります。(※相続等により財産を取得した人が,被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算します。)

暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利になるかは家族構成や財産額によりますので慎重な検討が必要となります。

 

今般,税制改正により,暦年課税の場合において,平成27年1月1日以降に,直系尊属(父母や祖父母等)から財産の贈与を受けた人(贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の人に限ります。)のその財産に係る贈与税の額は,一般税率ではなく,課税が軽減される「特例税率」を適用して計算することになりました。

 

特例税率の適用を受ける場合で,次の①又は②のいずれかに該当するときは,贈与税の申告書とともに,贈与により財産を取得した人の戸籍謄本又は抄本その他の書類でその人の氏名,生年月日及びその人が贈与者の直系卑属に該当することを証する書類を提出する必要があります。

 

①「特例税率の適用を受ける財産」のみの贈与を受けた場合で,その財産の価額から基礎控除額(110万円)を差し引いた後の金額(課税価格)が300万円を超えるとき

 

②「特例税率の適用を受ける財産」と「一般税率の適用を受ける財産」の両方の贈与を受けた場合で,その両方の財産の価額の合計額から基礎控除額(110万円)を差し引いた後の金額(課税価格※)が300万円を超えるとき(※「一般税率の適用を受ける財産」について配偶者控除の適用を受ける場合には,基礎控除額(110万円)と配偶者控除額を差し引いた金額(課税価格)となります。)

 

12月は今年の贈与を行え得る最後の月です。十分に検討して効果的な贈与を実施したいところです。