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試用期間における雇用管理Q&A
社会保険労務士山口事務所の山口寛志先生に許可を頂きまして同事務所発行のレポートを転載させて頂きました。
Q.試用期間中の給与額を本採用時よりも低く設定して良いか?
A.あらかじめ就業規則や雇用契約書で明示をすることで可能です。
試用期間は新入社員の適性を見極めるための期間だから本採用時よりも給与を低くしたい。そのような場合は,予め就業規則や雇用契約書など書面で明示をしておきます。後々のトラブル回避のためにも,募集・採用の時点で明らかにしておく方が良いでしょう。ただし試用期間でも最低賃金は適用されますので,不当に給与額を低く設定することは出来ません。
Q.試用期間中なら自由に解雇出来る?
A.解雇には相当の理由が必要です。入社15日目以降に解雇する場合は解雇予告手当の支払いが必要です。
適性見極めのための期間である試用期間においては,本採用後に比べて解雇が認められやすくなっています。しかし客観的にみて解雇を行う合理的な理由なしには解雇を行うことは出来ません。解雇を行う場合,入社後14日までならば即時解雇が可能ですが,入社15日目以降に解雇を行う場合は30日以上前に解雇予告を行うか,または平均賃金30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要です。
Q.試用期間中は社会保険に加入しなくてもよい?
A.試用期間であっても社会保険の加入は必要です。
本採用が決まった訳じゃないし,会社の社会保険料負担もばかにならない。本採用が決まったら加入手続きをとればいいや,という訳にはいきません。試用期間中であっても,加入基準を満たしている場合は社会保険や雇用保険の加入が必要です。
Q.最初の1ヶ月だけ給与が低く,2カ月目から昇給する場合,社会保険の加入手続きは昇給後の給与額で行わなければならない?
A.加入手続き時は最初の低い給与額でOKです。
Q.最初に短期間の有期雇用契約を結んで試用期間の代わりにしてもいい?
A.適性見極めのための有期雇用契約は,無期雇用契約期間内の試用期間とみなされることがあります。
試用期間を契約期間の短い有期雇用契約にすれば,その間社会保険に加入しなくて済むし,本採用したくない場合には雇用期間満了に出来るし,一石二鳥じゃない?というお問合せを頂くことがあります。しかし有期雇用が適性判断のための期間である場合,その契約期間は試用期間であるとみなされることもあります。
Q.試用期間中の給与を残業代込みの定額払いにしてもいい?
A.雇用契約書に基本給と残業代相当額を分けて明記する必要があります。
社会保険労務士山口事務所
代表 特定社会保険労務士 山口寛志
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