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相続税の税務調査

2013-11-08(金) 18:02:49

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平成27年から改正相続税法が適用され相続税の基礎控除が大幅に減額されます。そのため首都圏では相続税の課税対象となる方が倍になると言われております。そこで今回は,相続税の申告後に税務調査に入り易いと思われるケースをご紹介します。

 

毎年の所得税の申告に比し,相続税の申告財産が少額である場合

所得税では年間所得2,000万円以上の人は所有する全ての財産を記載した「財産債務の明細書」を提出しなければいけないことになっていますので,適正に毎年申告していれば税務署はある程度の相続財産の予測がつきます。

 

亡くなる数年前に不動産や有価証券を売却していて,その売却代金が相続税の申告財産に含まれていない場合,あるいはその確認を要する場合

税務署には昭和40年くらいからの資料が残っているそうですので,過去の資料と辻褄が合わない申告は調査に来ます。

 

銀行等への照会から相続直前に多額の預金引出しがあるにもかかわらず,それが申告財産に含まれていない場合

税務署は被相続人及び相続人の銀行口座全てを過去3年分から5年分は確認しています。銀行は旧大蔵省管轄・郵便局は旧郵政省管轄でしたので,昔は郵貯は申告しなくて大丈夫,などという噂もありましたが,現在は全くそんなことはありません。

 

金融資産が多く,口座間の動きが多い場合

名義預金があるのではないかと疑われます。

 

多額の借入金がありながら,それに見合う申告財産がない場合

不動産購入などの借入理由がわかれば問題ありませんが,借入目的がはっきりしないと問題とされます。

 

遺産額が高額な場合

東京国税局管内では,3億円を目安に調査に入るか否かを決めているようです。

 

会社を経営しているオーナー社長等で会社に対し多額の借入金や貸付金がある場合

相続人が株主となっていて,その株が名義株なのではないかと疑われる場合もあります。

 

金取引を行っている場合

金や昔の割引債は無記名で取引することも可能なため,隠し財産が無いか確認に来ます。

 

海外投資を行っている場合

海外に隠し財産が無いか確認に来ます。特に,配偶者や相続人が海外居住や外国籍の場合は要注意です。

 

広大地の評価を行っている場合,鑑定評価で申告している場合,売却価格で申告している場合

相続税の財産評価は国が定めている「財産評価基本通達」に則って評価するのが通例ですが,それ以外の評価方法も違法ではありません。違法ではありませんが,通例から外れますので調査に入られやすいです。

 

 

相続財産については亡くなった方しか知らないことも多く,相続税は申告漏れが多い税目です。意図的な申告漏れは論外ですができる限り適正な申告を心掛けたいものです。