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給与所得者の特定支出控除について

2013-02-26(火) 17:29:32

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サラリーマン等の給与所得者は,確定申告をしなくても会社の年末調整で課税関係が終了しているケースが一般的ですが,確定申告をすることで税金が還付される場合があります。

 

医療費控除や住宅ローン控除等は広く知られていますが,あまり知られていない制度として「給与所得者の特定支出控除」というものがあります。

 

この制度は平成25年分から大幅に改正されましたので,今後は多くのサラリーマンに適用されるかも知れません。


給料については,その給与額面から給与所得控除というものを控除します。

この給与所得控除は,サラリーマンに認められた概算経費みたいなもので,この控除は日本中の全ての給与所得者が適用しています。

そして,実はこれ以外に,「特定支出控除」というものを控除することができるのです。

 

「特定支出」をした給与所得者は,1年間における特定支出が一定の金額を超えた場合に控除が認められます。

控除の対象となる「特定支出」の範囲は次の通りです(⑥と⑦は改正により付け加わりました)。

 

①一般の通勤者が通常必要である通勤費

②転勤に伴う引越のために通常必要である引越費用

③職務に直接必要な技術や知識を得るための研修費用

④職務に直接必要な資格取得費用

⑤単身赴任の人が勤務地と自宅を往復する旅費

⑥職務に直接必要な弁護士,税理士等の資格取得費用

次に掲げる支出(年間65万円まで)で勤務先が必要な支出と認めたもの

職務に関する書籍や定期刊行物,勤務場所で着用する衣服,交際費や接待費

(※資格取得費用の中でも⑥はこれまで認められていませんでした。)

 

控除される金額の限度額は以下の通りです。

 

給与収入1,500万円以下の場合

→その年中の給与所得控除額×1/2

 

給与収入1,500万円超の場合

→125万円

 

これまでこの制度はほとんど適用されていませんでしたが,今回の改正により,職務に関する書籍代やスーツ代,交際費などが認められることになりましたので,今後は大幅に適用者が増えると見込まれています。

 

但し,上記⑥と⑦は勤務先が必要と認めた支出に限定され,勤務先の証明書が必要ですので,常識を逸脱した金額の場合は否認される可能性はあります。

 

高級スーツや高級料亭などが認められるか否か,そのうち事例として出てくると思いますので,その際はまたお知らせ致します。