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福利厚生費と現物給与
会社が支出した福利厚生に関する費用が,税法上損金として認められるか否か,また,受給者である役員や従業員に所得税が課税されるか否か,具体的事例をいくつかご紹介します。
①金銭の貸付け
会社が役員や従業員に無利息貸付けを行った場合には,原則として,それによる経済的利益は役員や従業員に対する給与として課税されます(災害・疾病等のやむを得ない事情がある場合を除く)。
②住宅取得資金の貸付け
会社が従業員に低利で住宅取得資金の貸付けを行った場合において,それによる経済的利益が著しく大きくない限り(貸付利息が1%以上であれば)給与としての課税はありません。
③レクリエーション費用の金銭支給
役員や従業員に直接旅行費用を金銭で支給する場合は給与として課税されます。
④社員旅行
4泊5日以内(海外の場合は現地滞在日数)であり,且つ,全従業員の50%以上が参加している場合は給与としての課税はありません。
⑤社内サークルの活動費用
会社が支出した金銭が各サークルの本来の目的に従って使用されている限りは給与としての課税はありません。
⑥残業者に支給する夜食代
会社が残業をした者に支給する夜食代については給与としての課税はありません。
⑦社長のゴルフ練習場の費用
取引先接待の為のプレー代は交際費に該当し,日頃の練習代を会社が負担した場合には当該練習代は社長に対する給与として課税されます。
⑧現物に代えて支給する作業服手当
事務服や作業服を現物で支給する場合には非課税ですが,現物ではなく手当として支給した場合には給与として課税されます。
⑨人間ドックの検診料
一定年齢以上は全員受診など,特定の者だけでなければ給与としての課税はありません。役員のみの場合は給与として課税されます。
上記取扱いは実際には細かな条件や例外規定がありますので適用する場合には充分な検討が必要です。
また,形式的に条件に合致している場合であっても,一般に公正妥当といえない場合や,或いは社会通念上の常識を逸脱している場合には異なる取扱いをすることもあります。