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法人が解散したときの役員退職給与

2011-05-25(水) 10:38:05

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法人を解散する場合、解散日で一旦事業年度が終了し、翌日から新たな事業年度が始まります。

このとき、解散日までの事業年度を「解散事業年度」、それ以降の事業年度を「清算事業年度」といいます。

そして、最終的に清算結了をした日を含む事業年度を「残余財産確定の日を含む事業年度」といいます。

法人が解散すると「清算人」というものを定め、解散日以降は清算人が法人の解散事務を行うことになりますが、中小企業の場合は代表取締役であった人がそのまま清算人に就任することがほとんどです。

中小企業が解散する場合は借入金が多額にあって赤字で解散することが多いと思いますが、この借入金については債務免除をしてもらい、債務免除益を計上することが多いです。

そうすると、債務免除益に対して法人税が課税されてしまうので、欠損金等があれば別ですが、それがない場合には役員退職給与を支給する(したことにする)などして対応する損金を計上する必要があります。

あるいは、借入金も欠損金もないけれども不動産があり、これを退職金代わりに代表取締役名義にするとか、または本当に換価するといった場合に、不動産の譲渡益と対応する形で役員退職給与を計上するとことを検討します。そうしないと多額の税金が課される恐れがあるためです。

このとき、代表取締役であった人がそのまま清算人に就任するということは、同じ人が継続して事務を行うということですから、実質的に退職をしてないのではないか、よって、退職給与を損金計上しても否認されるのではないか、という疑問が生じます。

しかし、これは国税庁の質疑応答事例できちんと手当されていて、「解散後引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与は退職手当として取り扱う」旨が公表されています。

所基通30-2(6)を参照してください。