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就業規則は大丈夫ですか? (その5) 残業代未払いは怖いです。
営業スタッフが多い会社などでは、残業時間を管理するのが大変なため、残業代を支払う代わりに手当(営業手当など)を支給しているところが少なくありません。
それ自体は問題ないのですが、きちんとそのことを就業規則に規定しておかないと後で大変なことになる場合があります。
<とある会社の例>
先月末で退職した社員が社長宛に手紙を送ってきました。
その手紙には在職中2年間の残業代を支払って欲しい旨の記載があり、丁寧にタイムカードのコピーも同封されていました。計算すると100万円にもなります。
残業手当の代わりに営業手当を支払っていると認識していた社長はその手紙をずっと無視していました。
すると、しばらくして労働基準監督署から呼び出しがかかりました。その社員が相談に行ったようです。
社長は担当官に次のように説明しました。
「うちは残業代は支払っていないが、その代わりに営業手当を支払っている。残業代よりも多い場合がほとんどだから問題ないはずだ。」
担当官
「社長の言い分はわかりました。ではその証拠を示すものを見せて下さい。」
社長が担当官に見せた就業規則と賃金規定には、次のように書いてありました。
「営業手当は営業職に従事する従業員に支給する。」
担当官
「社長、この規定では営業手当が残業代の代わりであるとは読み取れません。」
社長は口頭で、全社員に営業手当は残業代の代わりであると確かに言っていたようですが、証拠がなければ何にもなりません。
結局、この会社は元社員の言うとおり100万円を支払いました。
この手の残業代未払いに伴うトラブルは今後更に増加する傾向にあります。
自社の就業規則や賃金規定が問題ないか、確認しておくことをお勧めします。