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国民年金を滞納すると財産を差し押さえられてしまうかも知れません。
昨日報道されていましたのでご存じの方もいらっしゃると思いますが、国民年金を滞納し続けると財産を差し押さえられてしまうかも知れません。
厚生労働省は27日、厚生年金と国民年金の保険料を滞納している事業所、個人のうち、特に悪質なケースについては国税庁に委任し、強制徴収に踏み切る方針を決めたそうです。早ければ10月から実施する予定とか。
数年前に、某女優が国民年金の広告ポスターに起用されながらも自身が国民年金を支払っていなかったことが発覚し、これを発端に国民年金の未納が社会問題化したことがありました。
厚生労働省の発表によりますと、平成22年6月現在の国民年金の納付率はたった54%です。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000mmb5.html
一方、国税庁発表の平成21年度の滞納発生割合はわずか1.8%で、98%以上の納付率があることになります。
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/sozei_taino/index.htm
どちらも法律で納付が義務付けられているにも関わらず、こんなにも納付率に差があるのは何故でしょうか。
年金制度への不信感が根強いですとか理由は色々あると思いますが、一番の理由は徴収に対する意識の違いではないかと私は思います。
税務署の職員は国税庁という組織の中で配属転換や転勤がありますが、どこへいっても基本的には税を徴収する立場にあります。
ところが、各市町村の国民年金の担当者は、配属転換や転勤があると必ずしも年金担当になるとは限りません。昨日まで福祉を担当していた人もいるでしょうし、土木や教育の担当だった人もいるでしょう。
誰でも支払いを催促をするのは気持ちの良いものではありませんし、ましてや昨日まで福祉課で低所得のため生活がままならない人の世話をしていた人が、年金課に異動したからといってすぐに同じ人に未納の年金を支払えとは言えないのではないでしょうか。
税と社会保険は似て非なるものだと私は思いますが、徴収に関してはどこかの省庁が一元化して実行する方が効率的だと思います。
特に法人住民税と法人事業税は国税である法人税に連動して計算しますので、各地方公共団体に専属の担当者を置く意味はほとんどありません。これらの地方税職員を削減できれば、各地方公共団体の財政は幾分かは改善するはずです。
今回の、厚生労働省が国民年金の徴収を国税庁に委任するという報道を受け、上記のようなことを考えてみました。
民主党による次回事業仕分けの際には、是非、検討して頂きたいものです。